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エチゼンクラゲのリサイクル

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ここ数年、毎年のように話題となる自然現象があります。
それはエチゼンクラゲの大量発生です。
エチゼンクラゲというと人間と同じくらいの大きさの大きなクラゲで
触手までの長さを図れば数メートルにも及ぶのです。
日本海を中心にして夏から冬にかけて数え切れないほどの
エチゼンクラゲが海一帯を埋め尽くしてしまうのです。

エチゼンクラゲの脅威

それは津軽海峡をわたって太平洋までいってしまうこともあります。
その原因とされているのが中国の急激な経済発展です。
「中国の経済と日本海のエチゼンクラゲがなぜ関係がある?」と
疑問に感じてしまうかもしれません。
中国の経済発展によって、河川や海岸の防災・交通などの工事が急激に進められます。
さらに、経済発展で数多くの工場が建設され、
その工場から栄養が豊富な汚水などが大量に河川や海に流出しまうのです。
そのため、河川や海岸の水質などの環境が一変されてしまうのです。
特に工場から流れる富栄養の汚水で多くの生物に大きな変化をもたらしてしまいます。

その変化の一つが中国に生息していた幼生のエチゼンクラゲです。
中国周辺の栄養豊富な水質によってエチゼンクラゲの幼生が
大量発生してしまいそれが成長しながら海流に乗って日本海に運ばれてきます。
クラゲといえば毒素のあるものがありますが、
エチゼンクラゲにはほとんど毒素を持っていません。
でも、日本海で漁業を営んでいる漁師は大変です。
毒はなくても決して食べても美味しいものではないからです。
網にはほとんどエチゼンクラゲばかりが掛かっており、
お金になる魚の漁獲量が激減してしまうからです。
船を出せば出すほど、燃料代ばかりがかさむばかりで、赤字となってしまうのです。

エチゼンクラゲを利用する

そこで最近注目されているのが、エチゼンクラゲの飼料・堆肥化です。
エチゼンクラゲを農産物の肥料としたり、牛や豚などの飼料として
リサイクルする動きとなっているのです。
近年では、世界規模の人口増加、地球温暖化が
原因とみられる大規模干ばつが問題視されていています。
そのため、世界でも食糧の価格が増加して、
飼料・堆肥とするものも手に入りにくくなったり、値段が高騰しているのです。

そこで日本海で簡単に採れてしまうエチゼンクラゲを
飼料・堆肥として利用しようというのです。
クラゲというと高タンパクで低脂質と言われており、
さらにクラゲそのものには塩分が含まれていません。
塩分が少ないため、堆肥といってもエチゼンクラゲを
軽く切り分けて畑に巻いてしまうとお手軽なものです。
このエチゼンクラゲのリサイクルによる飼料・堆肥化は
大量発生したエチゼンクラゲの対処と高騰する飼料・堆肥の代替物という
二つのメリットか多くの農林水産業から注目されているのです。

このように経済で邪魔者扱いされたものもリサイクルの視点から見つめ直せば、
有益なものへと変化する可能性があるのです。
だからこそ、一人一人の身近な生活からリサイクルできるかを
見直していくべきだと思います。